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日本車の云々を吐き出す中学三年生

報われず終わった世界初のCVT スバルジャスティ

これは、この間とある整備工場で見つけた、「ジャスティ」を宣伝するためだけに設置されたと思われる看板である。ここまで売り込んだにも関わらず、なぜこのクルマは歴史に名を残せなかったのだろう。

今回は、このスバルジャスティについて、また、どうして歴史に名を残せなかったのかを書こうと思う。

ジャスティはどんなクルマだったのか*1


1984年2月、レックスをベースに(ドアは流用だった)ボディを拡大して発売開始。エンジンは直3 SOHC 1L(EF10型)で、ボディタイプは3ドアHBと5ドアHBの2タイプ、それぞれにFFと4WDがラインアップされていた。4WD仕様は当時のレックス4WDと同様、シフトノブ内にある赤い4WDスイッチをワンプッシュするだけでFFから4WDへの切り替えが可能であった。

1987年2月にファン・ドールネと共同開発した金属ベルト式無段変速機ECVTを量産車世界初で採用した。1LのFF車のみの設定だったが、国内での商業的には失敗であり、1994年12月に販売終了。しかし、アメリカ合衆国では、1987年 から 1989年までの3年連続で燃費ベストカーに選ばれるほど燃費が良かった。

御存知の通り、2016年11月からトヨタルーミーのOEM として2代目が販売されているが、今回は全く触れない。

なぜ、ジャスティは歴史に名を残せなかったのか

ATより高価だった

他社のコンパクトカーのATと比較すると、ジャスティのECVTは高価だったことが、ジャスティの商業的失敗の1番の理由だと言われている。

比較すると、当時人気だった日産のK10マーチのATは665,000円~1,138,000円、対してジャスティのECVT は849,000円~1,137,000円。最上級グレードは、あまり価格の差がないようにも見えるが、廉価グレードは20万円近い差がある。法人などの顧客が、マーチを購入するのは必然だろう。

当時のスバルのブランドイメージ

また、当時のスバルは、あまりヒット作と呼べるような車種が発売されておらず、1989年のレガシィまで、パットした人気車種があまりなかったように感じられる。

現在もトヨタの認知度が高いように、やはり知名度の多い車種が複数あるメーカーに、スバルは勝利できなかったのも、ジャスティが失敗した要因だと筆者は思う。

さいごに

現在、日本の乗用車の多くにはCVTが搭載されていることを思うと、世界初のCVTが評価されなかったのは、非常に悲しい。

ぜひ、せめてもの供養としてジャスティのことを覚えてくれると嬉しい。

ジャスティ、永遠なれ。